駒ヶ岳を楽しむために
山開きは6月1日、それ以前は八合目まで自動車で登れない
秋田駒ヶ岳の本格的な幕開け(山開き)は平成15年から6月1日となりました。6月1日以前は八合目まで自動車で登ることはできません。また、この時期の登山道は残雪があり、ルートを迷ったり、滑落の危険があります。山の花もめったに咲いておらず、おすすめはやはり山開き以降となります。
誰でも登れる山と油断しないこと、準備はしっかりお願いします
秋田駒ヶ岳は「誰にでも登れる山」といわれますが、登山に適した準備は必要となります。舗装された登山道があるわけではありませんので、普段のスカートやサンダルではケガの危険性が高くなってしまいます。登山の基本は、足元をしっかりすること、底の固いくるぶしまで隠れる登山靴を履くこと、また真夏であっても長ズボン、長シャツは必ず持つこと、できればセーターとかフリースの一枚をザックに入れること。秋田駒ヶ岳は高山植物が豊かな山です。高山植物が咲いている場所ですから、それだけ雨、風、霧など冷涼な条件がそろっており、真夏であっても尾根を越えてくる風はそうとう冷たく感じます。また、天候が急変することもありますので、平地は天気がいいからと油断せずに準備しましょう。
また、雨対策として上下レインウェアも必需品です。山では雨がまっすぐに降るということは少なく風がともなうので、傘では対処しきれなくなります。上下のレインウェアがあると暴風対策としても万全になりますので、必ずお持ちください。携行品としてはコンパスと地図も重要です。最近の登山者の傾向として、安易に簡単なパンフレットだけを持って登ったり、地図とコンパスを持ち歩かないという人がいますが、標識がしっかりとしているとはいえ、霧が出たときなどに確認の意味でも必要です。
必需品とまではいきませんが、「杖(ストック)」もお勧めします。「転ばぬ先の杖」とは良く言ったもので、事故防止にも役立ちますし、足にかかる負担を軽減する役割もありますので、秋田駒ヶ岳でもぜひご利用ください。
服装について
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ザック(リュック)
登山中に両手が自由になることは安全上重要です。携行品をしっかりとザックに入れましょう。日帰りだと30リットルがちょうどよいです。
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靴下
登山用のものを履くことをお勧めします。足が疲れにくく、ウールなら防臭効果も高いです。
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登山靴
足元の安定性を保つために、底の固いくるぶしまで隠れる登山靴を履くことをお勧めします。ゴアテックスなどの防水性であると安心です。
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帽子
日差しよけの準備としてとても重要です。また防水性のあるものを選べば、雨が降っても安心です。
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腕時計
スマホで時間の確認もできますが、やはり手軽に見れる腕時計がおすすめ。計画通りに登山ができているかチェックすることはとても重要です。
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タイツ
筋肉や膝関節のサポート機能がついていれば、足への負担が軽減されます。足への負担は下山時に大きいと言われますので、履いていると安心です。
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インナー
山での汗は休憩した時に寒さを感じさせます。汗冷えしないように、乾きやすい化学繊維のものをお勧めします。
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ウェア
インナー同様乾きやすい素材をお勧めします。また山の中でも目立つカラーリングのものをチョイスしましょう。
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パンツ
乾きやすく、ストレッチのある素材がおすすめです。
携行品について
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レインウェア
山の天気は地上と違って変わりやすいです。雨に濡れると体温が一気に下がってしまうので必ず持ち歩きましょう。
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ヘッドライト
山では暗くなると道が見えなくなるので必須です。携帯などのライトでも代用可能ですが手が自由になるヘッドライトがおすすめです。
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タオル
首に巻いて日焼けを防いだり、汗をふいたり、登山には欠かせないアイテムです。
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登山計画書
遭難した場合にこれを元に捜索をするので必ず提出しましょう。また登山に行く前には家族に共有するなどし、下山したらその旨も必ず連絡することが大切です。
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コンパス
道に迷ったり、進む道に悩んだ時にも使えます。イラストのような形状だと地図に合せて使いやすいです。
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地図
自分がどの道で登るのかを確認するために必要。携帯アプリなどでも見れますがバッテリーが切れたら……。地図の方が大きくて見やすいです。
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筆記用具
地図に線を引いたり、登山記録を残したりと何かと使う筆記用具。マストではないですが持ち歩くことをお勧めします。
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スマホ
万が一の時の通信手段、GPS機能、地図、カメラなど様々な機能があり便利なアイテムです。モバイルバッテリーもプラスで携帯するのがおすすめです。
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トイレットペーパー
何かと使えるので持っていきたいアイテムです。ティッシュよりも汎用性が高いトイレットペーパーがおすすめです。
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ゴミ袋
山にゴミ箱はありません。山で出たものは、全て持ち帰るのがマナー。必ずゴミは袋に入れて持ち帰りましょう。
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お金
避難小屋やトイレを利用する際にもお金が必要ですので、忘れずに携帯しましょう。
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行動食
軽くて、カロリーの高いものを選びましょう。チョコや飴など移動中でも食べやすいものがオススメ。
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手袋
でこぼこした岩場をのぼったり、藪を分け入って進んだり。そんな場面があるのが山登りです。ケガ防止のためにしっかりと持ち歩きましょう。
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ストック
足への負担を軽減しながら、事故やケガの防止になるストック。1本持ちでもかまいませんが、2本あった方が安定して歩きやすいです。
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水分(水筒)
傷口の洗浄や調理にも使える水と、ミネラルなども一緒に補給できるスポーツドリンクなどを分けて持っていきましょう。
花の季節の移り変わりについて
春。春といっても、花が咲き始めるの6月初旬。可憐な白い花ヒメイチゲから始まり、ショウジョウバカマ、ミヤマスミレ、ピンクのミネザクラ……と続きます。6月中旬頃から梅雨に入り雨やガスで天気が良くない日が続くこともありますが、梅雨の時期は景色がくっきりと見え、なにより6月下旬から7月初旬にかけて、いちばん多くの花々が開花し、一年で最もあでやかな季節を迎えます。
7月下旬になると、もう秋の花であるミヤマリンドウが咲き始め、8月に入るとウサギギクやハクサンシャジン、ウメバチソウなど、主役は秋の花に映ります。紫の花が目立ち、山に秋の花の雰囲気が漂います。
8月下旬から9月下旬にかけては秋の花も終盤です。頂上付近の紅葉も鮮やかさを増し、9月中旬過ぎには早くもピークを迎えます。秋田駒ヶ岳で最後を飾る花はエゾリンドウでしょう。
9月下旬から10月初旬頃ですべての花の季節が終わり、そのあたりになると、霜柱が立ったり、白いものがちらつきはじめます。
それにしても山の花は大変です。厳しい風雪に耐え、一年の内の約4ヵ月間、春と夏と秋がごちゃ混ぜになっているような場所での開花、受粉、結実と、短期間で終えなければならない状況……。そのシビアな条件の中での花はひときわ輝いて見えます。
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ウサギギク
全体に縮毛が密生する茎葉は、普通は対生(まれに互生)。花茎の先に黄…
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ショウジョウバカマ
亜高山帯の草原に生える常緑の多年草。分布が広いため、花の色にも朱色…
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ハクサンシャジン
ビッシリと詰まった花のつき方をするハクサンシャジンは、豪華さがウリ…
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ヒメイチゲ
イチリンソウ属のヒメイチゲには花弁がない。白い花びらに見える正体は…
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ミネザクラ
亜高山帯~高山帯林縁・林内に生える落葉小高木。雪解けの頃、葉が開く…
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ミヤマリンドウ
高山帯の草地を好む多年草。濃い紫色が、気品と強い生命力を感じさせる…
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秋田駒ヶ岳開花情報
仙北市でも秋田駒ヶ岳の高山植物の開花情報をはじめ、紅葉の状態や、山小屋情報を更新しております。
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登山計画書提出協力
秋田駒ヶ岳登山では、万一に備え登山計画書(登山届)の提出協力をお願いしています。届出方法については、現地で届けるほか電子申請や郵送などの方法があります。下記のリンク先よりご確認ください。
上記のQRコードからスマホで届け出可能 -
火山活動情報
現在、秋田駒ヶ岳の噴火警戒レベルは1(活火山であることに留意)です。
女岳では地熱活動が続いており、火山性地震の増加、また火山性微動や低周波地震も発生していることから、立ち入る場合や今後の火山活動の推移に十分注意してください。防災用ヘルメットをアルパこまくさ・八合目休憩所・阿弥陀池避難小屋に設置しておりますので、ご活用ください。 -
クマ対策
登山道付近にはクマがいる可能性があります。クマとの不幸な事故を避けるため、登山する方におかれましては、田沢湖観光情報センター「フォレイク」、アルパこまくさ、秋田駒ヶ岳八合目避難小屋などに掲出するポスター、配布する安全チラシなどを参考にしていただきながら、各自で安全対策をとっていただくようお願いします。